Google、Project Suncatcherで宇宙AIデータセンター計画をテスト
概要
GoogleのProject Suncatcherが、四つのAIプロセッサを搭載した試験衛星を打ち上げ、GoogleのGemini AIモデルを15分間実行した後に散热のために停止させるテストを実施した。これにより宇宙にAIデータセンターを設置する計画の実現可能性を検証する。計画の背景には、地上のAIデータセンターの急増する電力需要がある。国際エネルギー機関の報告によれば、2030年までにデータセンターは世界電力の約3%を消費する見込みで、これは現在の約2倍に相当する。宇宙では太陽光が豊富で、衛星上の太陽光パネルは地上の最大8倍の発電量を実現する。また、データセンターの設置を住宅地から遠ざける政治的メリットもある。しかし、大規模化には大きな障害がある。現在最大のAIデータセンターは数十万個のチップを使用し、最大1ギガワットの電力を消費しており、国際宇宙ステーションの太陽電池アレイの数千倍に相当する。真空環境での放熱、宇宙デブリ、放射線によるエラー、地球へのデータ送信のボトルネックなども課題として指摘されている。さらに、打ち上げや衛星の交換コスト、データ送信の制約が、無料の太陽エネルギーによる節約を食いつぶす可能性もあり、経済的実現性が問われている。専門家は、宇宙データセンターを実際に大規模化する企業は、まだ参入していない可能性が高いと述べている。
(出典:Scientific American)